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【翁の漫画評】ハトのおよめさん ハグキ 85点

 

 

タイトル:ハトのおよめさん

作者:ハグキ

連載期間:1999~2012年 完結(全11巻)

評価点:85点

あらすじ(amazon引用):

動物ギャグの奇才、ハグキここにあり! 素敵な夫婦にかわいい子供、とっても幸せハトの一家。 そんな家族が、動物の世界で起きる珍事件に首を突っ込んでは、収拾不可能な大惨事 へと!? 大変なことになっているのに、なんだかカワイイ新感覚!! コレがハグキワールドだ!!!

 

 

数あるギャグ漫画の中で、ニヤリとできるもの、クスッとくるものはあっても、爆笑できる作品というのは意外と少ないと感じたことはないだろうか。

笑いのツボというのは個人差が大きい上に、同じ個人でも年齢や成長に伴ってすっかり変わってしまったりもするので客観的に評価するのは難しい。

また個人的な経験からも一般論としても、やはり年を経るごとに「腹がよじれるほど爆笑する」ことは減ってくると言えるのではないだろうか。

思えば小~中学生くらいの頃は何でもないようなことで、毎日のように爆笑していたような気もする…いささか過去を美化しすぎかもしれないが…。

あの頃初めて読んだ『マサルさん』や『たけし』、『稲中』に『日和』に『ボーボボ』…がいかに優れた作品であっても、すっかりスレた大人になってしまった今の私が初めて読んだとすれば、果たしてあの頃のように純粋に爆笑できるかどうかはかなり怪しいだろう。

ああ、笑えるギャグ漫画が読みたい…腹筋が割れるくらい爆笑したい…そんな私と同じ悩みを抱えている人にお勧めしたい作品がある。

 

この『ハトのおよめさん』通称『ハトよめ』は、比較的大人(大学生~20代前半)になってから読んだ作品としては、最も爆笑させてくれたギャグ漫画だ。

青年誌で長期連載していた実績のあるこの作品なら、今さら子供向けのギャグでは笑えない…というあなたでも爆笑できるかもしれない。

主人公の「ハトよめ」(ハト一家のヨメで一児の母)はよく“キャシー塚本”的な狂気をはらんだボケをかますのだが、ボケるのは基本的に構ってほしいから(ツッコミ待ち)で、誰も突っ込んでくれないとセルフツッコミをかますというキャラ造形は斬新かつ愛らしい。

たとえ爆笑できなくても、不思議な楽しさを味わうことは間違いなくできるはずだ。

 

ちなみに、wikipediaによると

同誌の連載作品の中では『ああっ女神さま』『無限の住人』に次ぐ13年間にも亘る古参であり、『月刊アフタヌーン』の名物的連載であった。

 らしいのだが、その割に知名度が低いと感じるのはやはり他メディア展開に乏しかったからだろうか?

もはや大御所の藤島先生は言うに及ばず、沙村先生も引っ張りダコの人気作家だと思うが、『くりーくん』以来全く姿を見せなくなったハグキ先生は今何をしているのか…。

個人的には“もっと評価すべき”作家筆頭と思っているハグキ先生、新作を心待ちにしております。