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【翁の漫画評】ぶすぶす 緒方波子 54点

 

タイトル:ぶすぶす

作者:緒方波子

連載期間:2013~2014年 完結(全1巻)

評価点:54点

あらすじ(amazon引用):

これこそ真の女子高生!? 十代女子の実態を赤裸々に描き、連載時から物議を醸した問題作が遂に単行本化! 竜宮女子高等学校の生徒会に所属するのは、短気、腹黒、コミュ障、性悪、オタクなど、厄介者揃い。ひと癖もふた癖もある彼女たちの恋愛や友情、そして学園生活とは? 読んだら最後、二度と忘れられない禁断の味わいーーハルタの秘蔵作家・緒方波子が放つ“女子力欠落女子”コメディーを、さあ、ご賞味あれ!

 

 

漫画は娯楽の中でも比較的安価な部類にあると思うけども、私も資金が潤沢にあるほうではないので、購入するものには慎重を期し、「評判のいい作品」や「購入実績のある作家の作品」に基本的には厳選している。

が、それだけだと好みが偏っていくし、新たな発見がなくなっていくので、稀に表紙やタイトルに感じたインスピレーションだけを頼りに全く知らない作品を買うことがある。

 この『ぶすぶす』がまさにそれであった。

 

結論から言うと、面白くもつまらなくもなかった。

あらすじには「十代女子の実態を赤裸々に描き~」と書いてあるが、あんまりそうも感じない。生徒会メンバーもいわゆる萌え豚的に理想化された女子高生ではないが、言うほど「ぶす」でもなく、学園日常ものとして他作品と比べて特筆したものを感じなかった。

端的に言うとウリが何なのかわかりにくい。タイトルを『ぶすぶす』とするなら、もっと「ぶす」とは何か、あるいは「ぶす」の日常に多方面からアプローチしてほしかった。

 

漫画の世界において、普通の「ぶす」はあまり登場しない。

細かく言うと、0~20点くらいの「化け物級ドブス」はギャグキャラ的によく登場するんだけど、20~40点くらいの「よくいるブス」が登場しないのだ。これは、男女関係なくそういう傾向にある。(中年は別)

だいたいそんな微妙なブスを出すメリットがないし、出したところでたいして印象にも残らない。

だが、現実にはその「よくいるブス」が人口の3~4割を占めているわけで、こいつらの使い方ひとつで一気に作品にリアリティを持たせることができるガジェットでもあるはずだ。

ただ、その手のリアリティが求められていない作品の方が圧倒的に多いのだが(むしろノイズになる)。

何が言いたいかっていうと、たぶん私がこの漫画を手に取ったとき、「おっ、ついにブスにスポットライトを当ててくれる作品が出たか」と思ったと思うんだけど、全然期待していたのと違ったという話。

私は、我々ブスが満足できるブス漫画を待ち続けている。